テレビの醜状2007年01月31日 08:01

 フジテレビ系関西テレビの人気番組「発掘! あるある大事典Ⅱ」が、1月7日に放映した「食べてヤセる!!! 食材Xの新事実」と銘打った“生活情報番組”が、「納豆の成分に高いダイエット効果がある」と結論づけながら、それを裏付ける資料にウソや捏造が数多く含まれていたことが、『週刊朝日』の報道で明るみに出た。追いかけて、他の古疵も次々に口を開けた。
 テレビ、特に民放の報道番組に、ヤラセが多いことは天下周知だ。内部事情に詳しい人間からも「報道番組で、全くヤラセがないものは2割にも満たないだろう」という告白を聞いたことがある。テレビ報道には「絵がないことには成り立たない」宿命があり、談話取材一つをとっても、時間のゆとりさえあれば「下打ち合わせ」が必ず行われる世界である。
 今回は業界の横着さの度が過ぎた結果で、視聴者をナメた態度の露呈だ。今の民放局には、番組を「CMを視聴させるための映像」として本末転倒に心得ているとしか思えない姿勢が見え見えである。プロ野球の中継などでも、時間内にCMを流せないと見れば、クライマックスでも平然と放映を打ち切る。こうした視聴者軽視の傲慢さには、いずれ致命的ななしっぺ返しが来るだろう。
 民放内部の腐敗や番組制作の無責任さを衝いた批判は、これまでテレビ局の株を持たない出版社が発行する週刊誌の独壇場だった。新聞社は、軒並みテレビ局のオーナーであり、民放局は役員や幹部のおいしい天下り先という関係から、その醜状には目を閉じたままだ。政治は政治で、言論自由の不可侵を隠れ蓑に、実は新聞・テレビの報復が怖くて傍観に終始する。今回の『週刊朝日』の勇気ある告発は立派だ。
 構造不況が続く言論界は、広告収入への依存度が高まるばかりという経営環境の下、新聞もテレビも、メディア・ミックスなどを餌に使う大手広告会社にも抵抗できない。
 今や、国民が頼れる先はないのだ。なら、公共の財産である電波を私し、“報道機関”を名乗って実はCM料稼ぎに終始している民放に、良心の回復と使命の自覚を求める最後の道は、唯一、「視聴拒否」という国民運動しかあるまい。(;)