どんな育ちか2007年04月18日 07:56

 地方公務員を定年で辞めた幼友達が、複数の生命保険会社に退職金を託し、個人年金保険を契約したところ、わけの分からない約款の“ウラ条項”を盾に、支給額が期待を大幅に下回る結果になったという。彼は仕事柄、法律や行政の知識を備えていたため、1年ほど抗議を続けた末、最後は金融庁にまで問題を持ち込んで目出度く“オモテ条項”通りの支給を勝ち取った。
 もう5年ほど前の話で、大手の保険会社が、そんなあくどい商売をするものかと呆れながら、半信半疑で“武勇伝”を聞いたものだが、最近、底知れずの様相で白日の下に晒されている生保の不払い事件の凄まじさには、舌を巻く思いがする。
 「生命保険は、人類史上最大の詐欺商品」という言葉があるそうだが、2005年までの5年間で、大手・中堅の12社を中心に、約25万件、総額で約284億円の不払いがあったことが、金融庁の命令で行った各社の内部調査で明るみに出た。もっとも、これで総ざらいではなく、さらに調査の進み具合では件数、金額とも大幅に増えそうだというから、驚きを通り越して怒りを感じる。
 生保会社の倫理欠如も呆れたものだが、全国各地の原子力発電所で隠されていた、大量の燃料棒の脱落など、100件近い事故やデータの改竄などが明るみに出た件も、中には世界を震撼させる臨界事故すれすれのものが含まれていたりして、身の毛のよだつ思いがした。
 これらの不祥事は、個人や組織にとって都合の悪いこと、不名誉なことを隠したがり、時には事実をねじ曲げた記録や報告書を捏造して誤魔化す「嘘」が共通だ。後日、不正が露見した時、たっぷり恥をかいて叩頭することを考えれば、なぜ素直に「正直」が働かないだろうか。
 察するに、テレビの前で頭を下げているのは、本人に直接の責任がない気楽さからで、本気の謝罪ではなかろう。この際、実際に不正を犯し、それを指示または黙認した本当の責任者を遡って糾弾すべきだ。それと、そういう人々の「育ち方」を徹底分析することも、「美しい国」作りの参考になるだろう。(;)