強い子を作れ ― 2006年11月10日 08:15
陰惨ないじめを受け、独りで苦しんだ果てに自殺してしまう子どもが、あちこちで現れ、折りからの教育基本法改正案の審議と絡んで、国会やメディアで問題化している。
子どもばかりでない。例の、必修科目の履修省略を指示または承認していた「罪」を苦に自殺する校長が現れたり、校長から"パワハラ"を受けたと滅入って自殺する教諭も出た。
必修科目の履修省略は、教養人育成の理念に反し、短絡的に入試での成果を意図して法令を無視したものだから、公務員として「罪」を感じるのは誠実な証拠だ。しかし、自らの死をもって償える「罪」でもなかろう。1998(平成10)年以降、毎年3万人を超えている自殺の中には、客観的に見れば、このような「何も死んでまで」と思わせる例が、かなり多いはずだ。ま、自殺は客観の立ち入りにくい世界ではあるが……。
ただ、こうした自殺の増加、とくに人間作りの現場での自殺の多発を考える時、ここにも「戦後教育の欠陥」を指摘せざるを得ない。その第一は、「強い子」を育てる視点の退化だ。
わが国は、負けることも覚悟で、大義を掲げて先進大国と戦い、敗れた。その結果、二度と刃向かうことのない国家・民族になることを強いられ、教育や社会生活の基本でもある「平和憲法」を頂いた。
教場でも力で争うことは戒められ、敗戦直後の数年は、剣道や柔道のような民族の古武道の修業さえ禁じられた。米国は、皇太子(今の天皇)にキリスト教の一派、クエーカー教徒(Society of Friends, Quaker) のヴァイニング夫人(Elizabeth Gray Vining,1902~1999)を、4年余にわたって家庭教師として添わせ、欧米の思想に導いた。クエーカー教徒は、平和第一主義と反戦を貫いた過去で知られ、南北戦争の際にも局外者だった。
かくて日本の子どもには、「やさしさ」と「力で争わない」人作りが施され、運動会でも横並びでゴールしたり、学芸会では皆が「主演」を演じたりと、「勝者なき平等」と「平和幻想」が仕込まれた。
報いはどうか。いじめられたら闘う子。いじめを見たら、力づくでも強者に立ち向かう正義感の子が育ちにくくなった。いじめ自殺を減らすには、「強い子」「正義感の子」を、皆で育てたらよい。(;)
子どもばかりでない。例の、必修科目の履修省略を指示または承認していた「罪」を苦に自殺する校長が現れたり、校長から"パワハラ"を受けたと滅入って自殺する教諭も出た。
必修科目の履修省略は、教養人育成の理念に反し、短絡的に入試での成果を意図して法令を無視したものだから、公務員として「罪」を感じるのは誠実な証拠だ。しかし、自らの死をもって償える「罪」でもなかろう。1998(平成10)年以降、毎年3万人を超えている自殺の中には、客観的に見れば、このような「何も死んでまで」と思わせる例が、かなり多いはずだ。ま、自殺は客観の立ち入りにくい世界ではあるが……。
ただ、こうした自殺の増加、とくに人間作りの現場での自殺の多発を考える時、ここにも「戦後教育の欠陥」を指摘せざるを得ない。その第一は、「強い子」を育てる視点の退化だ。
わが国は、負けることも覚悟で、大義を掲げて先進大国と戦い、敗れた。その結果、二度と刃向かうことのない国家・民族になることを強いられ、教育や社会生活の基本でもある「平和憲法」を頂いた。
教場でも力で争うことは戒められ、敗戦直後の数年は、剣道や柔道のような民族の古武道の修業さえ禁じられた。米国は、皇太子(今の天皇)にキリスト教の一派、クエーカー教徒(Society of Friends, Quaker) のヴァイニング夫人(Elizabeth Gray Vining,1902~1999)を、4年余にわたって家庭教師として添わせ、欧米の思想に導いた。クエーカー教徒は、平和第一主義と反戦を貫いた過去で知られ、南北戦争の際にも局外者だった。
かくて日本の子どもには、「やさしさ」と「力で争わない」人作りが施され、運動会でも横並びでゴールしたり、学芸会では皆が「主演」を演じたりと、「勝者なき平等」と「平和幻想」が仕込まれた。
報いはどうか。いじめられたら闘う子。いじめを見たら、力づくでも強者に立ち向かう正義感の子が育ちにくくなった。いじめ自殺を減らすには、「強い子」「正義感の子」を、皆で育てたらよい。(;)

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