IP業の免責 ― 2007年01月05日 08:03
年頭のテーマに、情報発信の責任と倫理の問題を取り上げたのは、昨年暮れ、「くちべた日本人」様から、《総務省と、インターネット・プロヴァイダー(IP)の団体「社団法人テレコムサービス協会」が、ネット上の匿名情報による名誉毀損やプライヴァシーの侵害を排除する目的で、「新たなガイドライン」を検討中である》との、切迫したトーンのご指摘を頂いたからだ。
私も大筋は承知していたが、ご指摘に添えられた関連情報などの通り、総務省と業界団体は、名誉毀損やプライヴァシーの侵害に当たる「人権侵害情報」の発信者の住所・実名などの「発信者特定情報」を、被害者側に積極的に開示する方向で「新ガイドライン」を検討しているようだ。この段階での断定的な評価は避けるが、この措置には、それなりの意味がありそうである。少し、冷静に考えたい。
現状を言えば、ウェブ上の情報による人権侵害については、発信した加害者と、情報被害者との直接折衝では解決が困難だ。だいいち、発信加害者の住所・実名などの特定情報は容易につかめない。つかめても、発信者が素直にその種の情報の削除に応ずることは希だ。勢い、問題はプロヴァイダーに持ち込まれ、その管理責任が追及されるケースが増えている。
だがプロヴァイダーとしても、明らかな不法行為と見られる情報の削除や発信規制は可能でも、個々の人権侵害の微妙な実態に立ち入って、一方的に発信規制や削除を行うことは、自身の不法行為を指摘される恐れがある。
そこで、このような問題からの「プロヴァイダーの免責」を主眼として、2002年11月にに「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限および発信者情報の開示に関する法律=プロバイダー責任制限法」が成立、翌年、施行された。
しかし、この法は制定の目的からしても、ウェブ上の人権侵害排除の決め手にはなりえない。人権侵害は、最後は当事者の訴訟に解決を委ねるしかないので、発信者の特定は不可欠だ。「新ガイドライン」は、その打開策を探るものだろう。だがそれより、ネット発信を「実名」に限る方が先ではないか。(;)
私も大筋は承知していたが、ご指摘に添えられた関連情報などの通り、総務省と業界団体は、名誉毀損やプライヴァシーの侵害に当たる「人権侵害情報」の発信者の住所・実名などの「発信者特定情報」を、被害者側に積極的に開示する方向で「新ガイドライン」を検討しているようだ。この段階での断定的な評価は避けるが、この措置には、それなりの意味がありそうである。少し、冷静に考えたい。
現状を言えば、ウェブ上の情報による人権侵害については、発信した加害者と、情報被害者との直接折衝では解決が困難だ。だいいち、発信加害者の住所・実名などの特定情報は容易につかめない。つかめても、発信者が素直にその種の情報の削除に応ずることは希だ。勢い、問題はプロヴァイダーに持ち込まれ、その管理責任が追及されるケースが増えている。
だがプロヴァイダーとしても、明らかな不法行為と見られる情報の削除や発信規制は可能でも、個々の人権侵害の微妙な実態に立ち入って、一方的に発信規制や削除を行うことは、自身の不法行為を指摘される恐れがある。
そこで、このような問題からの「プロヴァイダーの免責」を主眼として、2002年11月にに「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限および発信者情報の開示に関する法律=プロバイダー責任制限法」が成立、翌年、施行された。
しかし、この法は制定の目的からしても、ウェブ上の人権侵害排除の決め手にはなりえない。人権侵害は、最後は当事者の訴訟に解決を委ねるしかないので、発信者の特定は不可欠だ。「新ガイドライン」は、その打開策を探るものだろう。だがそれより、ネット発信を「実名」に限る方が先ではないか。(;)
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