愛猫は毒味役2006年01月23日 07:41

 わが家に、家族同然の雌猫がいて、名を○○という。○○は、主がインターネットで買い物をしたりする時、パスワードに使っているので、仮に「チビ」としておく。毛並みは黒とグレイの縞だが、鼻の頭と腹のあたり、そして左目に、どちらかの親にもらった茶の色が表れている。唯一の"身体的欠点"は、尾骨の先端が、生まれつき1回り半していて、しっぽがやや短いことだ。ここを触ると機嫌が悪い。
 チビは、6年前の春、路上で大きなピンクの口をあけて鳴いているのを、早朝散歩の主が拾い上げて連れ帰った。2キロほどの山道を、おとなしく両の手のひらにスッポリ入って来たほど、主とは出会いから相性がいい。耳と目と口がやたら大きく見える仔猫で、食材を量る台秤に載せたら、350グラムの辺りで、針が心細く揺れていた。今は4キロ近い"熟女"である。
 チビの変わったところは、普通、猫には禁物というイカが、何よりの好物である点だ。1歳半くらいの時か、主の相伴でヤリイカの刺身を覚えたのがきっかけで、「イカ」と聞くだけで、目の色が変わる。
 いわゆるネコパリと、カツオを主としたネコカンを常食とするが、毎日、必ず1度はイカを所望する。しかも、鮮度のいい活けを家で捌いたものでないと、見ただけでソッポを向く。ヒレやゲソは決して食べない。ワタには目もくれない。お陰でこれらは、醤油と酒でさっと煮て人様の肴になる。主客転倒だ。
 先日、うっかりして活けのイカを切らした。こうなると、ありつくまで家内の足元にまつわりついてしつこくせがむ。夕方遅かったが、主が近くのスーパーを巡った。あいにく活けは売り切れだった。詮方なく、「イカそうめん」なるパックを買ってきて与えたが、フンといった風情で横を向く。
 少し灰色がかった活けとは違い、不自然にテリがある純白の切り身で、包装には、「ソルビット、調味料(アミノ酸等)、酒精、酸味料、酵素。原材料の一部に卵を含む」とある。嫌っているのはこれかと、水道水で洗って再び与えたが、やはり横を向く。
 猫が毒味をしてくれたのだと、主も口にせず捨てた。たかがイカサシに、なぜこれほど多くの添加物を使うのか。包装に加工業者の名はなかった。(;)

コメント

_ Luke ― 2006年01月23日 08:47

竹庵さま、
お寒うございます。

我が家でも雌ネコを2匹飼っておりますので、飼い主さまの愛情が文面から伝わってまいります。今年、9歳と8歳になります。最近は寒いのか、良く夜中に布団の中に入ってきて、腕を枕に寝ております。可愛いのですが、身動きができないので、かえって疲れます。

我が家のネコたちはキャットフードしか与えていないので、毒味役は務まりません。ネコと一緒にしてはなんですが、娘が小さいとき、知人が黒鯛を釣ってきてさばいてくれて、刺身を頂きましたが、新鮮なためか、娘は醤油を付けずにそのまま食べてしまい、こちらが驚きました。それは今でも変わらず、魚の新しくて良いものはまず何も付けずに生で食べております。ネコの生まれ変わりか?

_ 竹庵(Luke様へ) ― 2006年01月24日 08:38

 Luke様。お寒うございます。21日は、雪かきでたいへんでした。
 ところで、猫の毒味役といえば、かの水俣病解明の際に、随分多くの猫が汚染魚を毒味させられて犠牲になったそうですね。哀れなことです。わが家の「チビ」が横を向いた「いかそうめん」に添加されていた「ソルビット」は、何の役に立つのでしょう。「ソルビン酸」ならわかるのですが、「ソルビット」は甘味料のはずですよね。

_ Luke ― 2006年01月24日 09:06

竹庵さま、お寒うございます。今朝の外気温(車に付いている温度計によると)は1℃でした。ぶるっ!

よろよろ歩いたり、くるくると回って狂い死にするネコは、とても可愛そうでした。人間も同じ目にあったわけで、まったく許せないことでした。今も苦しんでおられる方がいることを思うと、お気の毒でなりません。中国で多発するのではと、懸念されます。

ところで、ソルビットをインターネットで検索すると、「ソルビットは1872年にフランスで、ナナカマドの実から結晶として取り出されたのが最初です。ナナカマドはフランス語でSorbeといい、ソルビットの語源になっています。現在工業的に使われているソルビットは、じゃが芋やとうもろこしの澱粉を加水分解したブドウ糖を原料にしています。甘くて吸湿性のある白い粉末なので、この特性を生かして、食品では甘味料、保湿剤、柔軟剤、たん白質変性防止剤、ガムの軟化剤などに使われています。この他、化粧品、医薬品、繊維などにも利用されています。」とあります。

ガムに入っているのは知っていましたが、何にでも入っているのでしょうね。歯磨きのチューブを見てみましたら、一番に「ソルビット液」と書いてありました。ビタミンCの原料ですので、安全だとは思いますが。

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